どうでもいい話。

尾道で気がついたのですが、僕のピナレロくんの後輪ブレーキが異様に効きにくくなっています。

今から思えば、あのアップダウンをよく走れたと思います(笑)。
危ない危ない。


なので、今日はピナレロくんを買った新宿の自転車屋さんまで走って行って、メンテナンスをしてもらいました。

メンテナンスには1時間ちょっとかかるので、ついでに、西口の眼科に行って新しいコンタクト(2週間タイプ)をもらおうと思いました。

自転車屋さんは新宿三丁目で、眼科は西口。
全部地下でつながっていますが、結構距離があります。

しかも、自転車に乗る時はピチピチのレーパンとサイクルジャージ+ヘルメットですから、この格好で人混みの中を歩くのは、ビジネス街を仮装行列するようなもので。下手すれば職質ものです。

そんなこともあろうかと、上から着る用のポロシャツと短パンを持っていって、自転車屋さんの前にあるトイレで着替えました。
そして、ヘルメットをリュックにくくり付けて、地下道を延々歩いて西口に行きました。


・・・って、実にどうでもいい話ですね(笑)。


で、どうなったかと言うと、結果的に新宿の雑踏では、40過ぎのおぢさんがレーパンの上に短パン履いて、ボロいポロシャツ着て、背中にヘルメットを付けたリュックを背負って、ビーチサンダルで歩いても、誰も気にしなかったわけです。

これだったら、下手な細工をしないでレーパンのままで闊歩すれば良かったと思いました。


・・・ホント、どうでもいい話ですね(笑)。


何でこんな話をしているかと言うと、新宿を歩きながら思い出したのが、横須賀でした。

僕は30代を過ぎてから、2回ほど数カ月間にわたってプータローをしていたのですが、その間は実家にいるわけです。

で、ヒマなので、三浦半島へ行こう!」の取材をしようと、あちこち出かけるわけですね。

ド平日の真っ昼間におぢさんが山に登ったり海岸線を歩いたり、ラーメン屋さんで写真撮ってたりする。

これは、三浦半島ではものすごく目立つわけで。

そもそもあまり人がいないところに、どう見ても働き盛りのおぢさんが平日の昼間に歩き回っているわけですから、見る人が見れば完全な不審人物です。

それどころか、実家から駅までの道ですら、近所の人に見つかったらどうしよう、などという有様でした。

で、歩いている本人も「オレ、こんなところで何やってるの?」って思うことも多々あり。実に複雑な心境だったのを思い出します。


そんな時、たまに声をかけられる時もありました。
たぶん不審に思ったのでしょう。武山を歩いている時に、とあるご婦人に「お仕事で?」って聞かれたことがありました。

おいおい、どう見ても仕事なわけねーだろ!
と思いつつも、その時、咄嗟に
ええ、ちょっと雑誌の取材で」・・・

大嘘です(笑)。

でも、まさかそこで「無職なのでヒマに任せてWebサイトを更新しているんです」なんて答えられるわけがありません。


今となっては、実に懐かしい。


ちょうどその時に歩きまくったのが、「三浦半島をあるく!」の大型企画・ウォーキングシリーズなのです。

ていうか、相当ヒマじゃないと、こんなに歩けません。
たぶん、三浦半島のほとんどの山と海岸線は歩き尽くしたと思います。

あの記事をご覧になる時は、そんな複雑なプータローの日々を想像しながらお読みいただけると、また味わい深いかと思います(笑)。



しかしいつしか、ご婦人についたウソが本当になって、「取材」で歩くことになったのは不思議な感じです。
もし当時、東京に住んでいたら、あそこまである意味ハングリーな感じにはならなかったのかな、って思います。

なぜなら、都会の雑踏では、よっぽどのことがない限り誰にも気にされないから。
きっと、何でもアリな流れに、完全に身を任せてしまったかもしれません。




三浦半島を歩くということは、僕にとってはとても大きいことです。

自転車で走っても、誰かと歩いても、ドライブで行っても、行く先々であの日々のことを必ず思い出します。

悲しいこと、嬉しいこと、将来のこと、どうしようもできないこと。

他の観光地では絶対に感じない気持ちを、三浦半島では思い出します。

過去の喜怒哀楽のすべてが詰まった、生々しい場所

それが、ふるさとということなんだと思います。

だから僕は、「三浦半島が好き!」「横須賀が大好き!」なんて、単純には言えません。

ふるさとだから、良いことばかりじゃなくて、後悔する想い出も嫌な想い出も恥ずかしい想い出もたくさんあります。
どうしても好きになれないことだって、相当多い。

僕にとって三浦半島は、「好き」を通り越して、人生が詰まった場所なのですね。



6年間離れていても、その想いはやっぱり変わりません。

そして、だからこそ、三浦半島の良さがじわっと分かってきたような気がするのです。

40歳を過ぎて、もう一度、三浦半島と対峙すること。
これは、僕にとってとても大きい。

たぶん、「三浦半島へ行こう!」で書く文章も、以前とはちょっと違うんじゃないかと思います。

変わらない魅力をもつ場所と、変わっていく自分
それを確認できるのは、きっと、良いことなんじゃないかって思います。

なぜなら、そこは僕のふるさとだから。

「うわー、キレイ!すごい!」だけじゃない魅力。

それを伝えることが、40歳の僕に課せられたことなんだと思います。