ビニール傘の命は短い。

台風15号、各地で猛威をふるいましたが、三浦半島でもいろいろと被害があったそうです。
Twitterのフォロワーさんの中にもケガをされた方がいるとのこと。
心よりお見舞い申し上げます。早く回復されることを祈っています。


それにしても、昨日は大変でした。
大型の台風が接近しているというのに、ピークの15時過ぎから打ち合わせ。しかも厚木ということなので、何だかイヤな予感がしていました。
もちろん、お仕事を頂いている立場なので「やっぱ行きません」というのはありえない。
なので、全身ずぶ濡れを覚悟して、自転車用のウィンブレを持ち、スッポリと防水カバーが掛けられるdeuterのリュックを背負って、いざ出発。

交通の混乱を予想して1時間くらい前に到着しましたが、Twitterを見ると、僕が本厚木に到着した20分後に小田急線が止まったとのこと。
ラッキー。
今日は意外とすんなり帰れるかも!



と思ったのは完全に間違いでした。
打ち合わせが終わると、外は暴風雨。
命からがら駅まで行きましたが、改札は閉鎖、周囲は殺気立ってる人であふれかえっています。

仕方ないので、クライアントと近所の居酒屋に飛び込んで、小田急が再開するのをひたすら飲んで待っていました。


で、23時前に再開したというので駅に行ってみたら、まぁ来る電車来る電車、満員で、しかも運転間隔が30分ごとという有様。
そこでひらめいたのが、上りでなくあえて下りに乗って小田原まで行き、一気に新幹線で東京を目指すという大迂回一発逆転コース

まるでノーベル賞級の発明を思いついたように、意気揚々と下りホームへ向かったわけです。
まぁ、多少酔っ払ってたんだと思いますが(笑)。

で、来た電車に乗ったのですが、まぁノロノロ運転だこと。
「安全点検のために時速15kmで運転しております」って、人乗せて点検すんなよっ! 再開までにそんなの終わらせとけよっ! 15km/hってママチャリの速度じゃないかっ!

と言っても始まらず。
結局、2つ先の伊勢原駅まで30分もかかるので、あきらめて降車し、上り電車を待つことに。
ノーベル賞、あっという間に撃沈(笑)。

ところが、ちょうど伊勢原始発の上りがあるみたいで、ガラガラ。
ラッキーなんだかよく分かりませんが、その後、座って新宿まで何とか行くことができました。
帰宅したのは1時半くらい。
それから、どうしても仕上げなければならない仕事をやって、仮眠して、今日は朝っぱらから打ち合わせ。

朝の電車では、心なしか誰もが眠そうでした。
皆さん、お疲れ様でした。


で、帰りの電車で考えていたのは、3/11のこと。
あの日、僕はちょうどサイクリングをしていて、小金井公園で休憩がてらキレイな梅の花の写真を撮っていたときに、大地がグオオオオと揺れるのを感じました。

バッサバッサと木が揺れるのでビビリましたが、後から考えると、広域避難場所になっている大規模公園で、しかもヘルメットをバッチリかぶっている状況ですから、もうこれ以上安全なシチュエーションはないわけです。

で、余震に怯えながら混乱する街を抜けて自転車を漕ぎました。
途中でデカい余震がありましたが、ロードバイク地震には完全に弱いですね。
結構ハンドル取られたので、慌てて降りて、近所の駐車場に逃げました。

で、これだけ揺れたらさぞかし自宅は大変な状況になっているだろう、と大慌てで帰ると、至って平穏。
もう、鉛筆一本落ちてないわけです。
僕のマンションは地盤が固いのか構造が強いのか、もともと地震をあんまり感じないのですが、相当揺れたと思うのに何にも落ちてない。
帰宅難民にもなっていませんし、その後も停電も断水もなく過ごしました。

何が言いたいかといえば、僕は3/11では何にも被害を受けていないわけです。


しかし、今回の台風で遅ればせながら帰宅難民の心細さを実感しました。
もちろん、あの大地震とは比較にはなりません。
でも、数少ない貴重な経験だったかと思います。

今さらですが、いくら大量に情報を得たところで、体にしみ込んだ教訓とは雲泥の差がある

数多くの天災が降り注いでいますが、そこから学んで次に活かすことは、この時代に生きる全員の使命とも言えます。
災害に遭えばいいってものでは決してないですが、もしそういう経験をしたなら、次に何かあったらきっと活かせるはず。
それが、不幸にも命を落とされた方々に対してできる唯一のこと、なおかつ将来の自分と未来の人たちの命を救うことなんじゃないかとも思います。
一過性のものじゃなく、「こういう時にはこうするもんだ」と、みんなが言い続けること。
それは文章化しても、直接言っても、つぶやきでも何でもいいのでしょう。
それが、2011年の日本人に課せられた、重要な知恵の伝承だと思うのです。


ところで、一瞬にしてダメになっちゃったコレって、何ゴミ!?


地震があって、水害があって、暴風雨が吹き荒れて、人工衛星まで降ってくる。
つくづく、今年はいろんなことがありますね・・・。